Tetris® Effect: Connected から見る“逆”音楽ゲーム性
UECDTM Advent Calender 2022 15日目の記事です。
音楽ゲーム(おんがくゲーム、英: music video gameあるいは単にmusic game)とは、コンピュータゲームのジャンルのひとつで、プレーヤーが楽曲や一種の楽譜と相互作用するゲームのこと。音ゲー(おとゲー)とも呼ばれる。
音楽に合わせてプレイヤーが何らかのアクションをとる(たとえば画面で指示されたボタンを押す、ステップを踏む、楽器を模したコントローラを操作する、など)ことで進行する。一般に、プレイヤーの行ったアクションが音楽と一致していれば得点が上がっていき、逆に一致していなければ得点が得られなかったり減点されてゆく。プレイヤーの操作が曲の進行と大きく外れた場合、曲の途中で強制的に演奏が中断しゲームオーバーとなるものもある。また、一定のペースでノルマが課せられ、そのノルマを達成できない場合にもゲームオーバーとなる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0
逆音楽ゲーム性って何だよって話です。筆者は音ゲー(主にCHUNITHM)オタクなので、その視点から見た他ジャンルのゲームの雑記。
経緯
ちょっと前にSteamオータムセールがありまして、前々から気になっていたゲーム Tetris® Effect: Connected を買いました。こんな感じのゲームです。
ゲームについて触れる前に、テトリスのことを確認しましょう。
テトリス(ロシア語: Тетрис、英語: Tetris)は、ソビエト連邦のコンピュータ科学者アレクセイ・パジトノフが 1984年に考案したコンピュータ・ゲームの商品名。その後にライセンスを与えられてフランチャイズ作品として開発されたさまざまなバージョンも「テトリス」と総称されている。落ちものパズルの始祖・元祖である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B9
動画を見ていただければ分かるのですが、要はこのテトリスに美麗な映像、演出、そして音楽を同期させ、視覚と聴覚のインタラクティブな体験を提供するコンテンツとなってます。
これ、初めてプレイしたとき「音楽ゲームだ!!!」って思ったんです。落ちてくるテトリミノを回転させると、曲に合わせたSEが鳴る。ラインを消すとステージの背景演出が成され、そのステージの進行に合わせてテトリミノが落ちるスピードと曲調が変化する(動画では100ライン消すときに大きな変化が確認できます、4:00~)。
こういう音ハメ、みなさん大好きですよね?
この類のゲームをプレイしていて気持ちよくなるタイミングの多くは、ゲームと音楽の相互作用が確認できる瞬間に集約されると言っても過言ではないです(個人の感想)。
音楽を一次元的な情報だけにしない枠組みを作っているところが、音ハメの良さだと考えています。
音楽ゲームの例を挙げると、こういうのとか
ゲームではないのですが、これが一番シンプルで分かりやすいですね
音楽ゲームと言って想像されるのは、上から落ちてきたノーツをタイミングを合わせて叩くもの(上記の例はちょっと違うけど)ですが、そのルール、あるいは媒体を変えたものが Tetris® Effect: Connected であると。そう感じたわけです。で、筆者はテトリス未経験なので上達の楽しみも味わいながら心地良くプレイをしていたんですけど、ふと、あることに気づきます
「これ、順番が逆じゃないか…?」
逆音楽ゲームとは
では何が“逆”なのか。勘の良い読者の方は、もう気づかれているかもしれません。
冒頭の音楽ゲームの説明から、ある一文を確認してみましょう。
一般に、プレイヤーの行ったアクションが音楽と一致していれば得点が上がっていき、逆に一致していなければ得点が得られなかったり減点されてゆく。
音楽ゲームは音楽という情報源からプレイヤーが操作を同期するのに対し、逆音楽ゲームはプレイヤーの操作に応じて音楽が同期をしています。
そうなんです。情報の流れる向き、順番が違ったのです。
つまり、同じ『音ハメ』というコンセプトを持って作られたゲームであっても、矢印の向きが 操作 → 音 なのかその逆か、プレイヤーが受け取る情報としての音楽はどちらが後なのか、が異なるということです。この定義で考えると、例えば楽譜を見て楽器を弾くことは音楽ゲームであり、作曲や即興は逆音楽ゲームであると言えるかもしれません。「弾き方にも表現がある(逆がある)」とか「作曲にもある程度型はありますけど」とか言われても困っちゃうのでやめてね。
仮説:任意のゲームは逆音楽ゲームである
逆音楽ゲームというものを考えると、当然このような仮説に行き当たります。まあ操作に音がくっついてれば何でもいいわけですからね。
ここで導入したいのが、逆音楽ゲーム性という尺度です。逆音楽ゲームという文脈を、どれくらいその作品が強く持っているかについての指標ですね。この辺から感覚の話になるので、適宜読み飛ばしていただいても構いません。
例えば、こんなゲームを例に話を進めます。
プレイヤーが歩けば足音が鳴るし、モンスターを攻撃すれば斬撃、あるいは砲撃音が鳴ります。確かにこれらは操作に対して音が同期しています。
でもこれって、そうあるべきじゃないですか?それが自然で、逆音楽ゲーム性が強くあってはならない気がしませんか?
筆者はこのゲームを遊んでいて、音の同期を意識したことはほとんどないです。さらに言うと、逆音楽ゲームを考えるきっかけにはならなかったです。
では Tetris® Effect: Connected はどうか。最初の動画を見返してみてほしいのですが、音ハメというコンセプトがゲームの根幹の一つであり、それが強調されるように演出が組まれている、逆音楽ゲーム性の塊のように見えてきませんか?
逆音楽ゲーム性というのは、視覚と聴覚の同期による心地良さが(主観で)どれだけ強いか、または、どれだけその作品がコンセプトを置いて強調しているかを指します。なので、モンハンは逆音楽ゲーム的な要素はあるけど、そのカテゴライズではない(逆音楽ゲーム性がそれほど強くない)ということです。
また、逆音楽ゲームは非音楽ゲームではないですね。視覚と聴覚の情報が同期していることは最低条件で、さらにインタラクティブな体験が主要なコンテンツとしてプレイヤーに提供されていることまで含まれて“逆”という言葉が意味を持ちます。
まとめ
視覚と聴覚の同期というコンセプトにおいて
であり、逆音楽ゲーム性は音ハメ要素がどれだけ強いかの指標である。
普段音ゲーしかやってこなかった人間の視点 ∧ こうした記事を初めて書いた ので、お見苦しい点が多々ありそうですがご了承ください…。長い文章むずすぎ。でも定期的にこういったことは考えたいですね、あるものを見るのはそこに無いものとの境界を見つけることらしいので。
20日までSteamだと半額セールやってます、一度体験してみてほしいです。
次回は(16日に登録がなければ)Moviikaさんが何も考えてねぇ話をしてくださるそうです。楽しみですね。